「CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT」とは?
「CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT」は、数値のマイナス符号を前に移動する機能を持ったSAPの汎用モジュールです。
SAPでは、数値型のデータのマイナス符号は通常「100-」のような形で後ろに付きます。
しかし、インターフェース系の機能や外部取引先向けの帳票などでは、一般的な前マイナスの形式で出す必要がある場合も多いため、マイナス符号の位置を変換するニーズが出てきます。
どういった場面で使うのか?
例えば、ある企業がSAPを使用して財務データを管理しているとします。
その企業が外部取引先に対して財務報告を行う際、取引先からは一般的な前マイナス(-100)の形式で数値を提供するよう要求されるかもしれません。
しかし、SAPではデフォルトで後ろマイナス(100-)の形式で数値が表示されるため、そのままでは取引先の要求を満たすことができません。
このような場合に「CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT」モジュールを使用することで、SAP内部で使用されている後ろマイナス形式から一般的な前マイナス形式へと数値を変換することが可能になります。
使い方は?
「CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT」モジュールは非常に簡単に使用することができます。例えば、「100-」というような数値を渡すと、「-100』」という形で値を返してくれます。
また、マイナス符号が無い場合でもそのまま返してくれるため、マイナス値かどうかは特に気にせず呼び出す形で問題ありません。
ソースコード例
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DATA: lv_input TYPE p DECIMALS 2, lv_output TYPE string. lv_input = '123.45-'. " Input value CALL FUNCTION 'CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT' EXPORTING input = lv_input IMPORTING output = lv_output. WRITE: / 'Output:', lv_output. |
このコードでは、まずlv_input
変数にマイナス符号が後ろにある数値(ここでは’123.45-‘)を設定します。
次に、『CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT』モジュールを呼び出し、その結果をlv_output
変数に格納します。
最後に、変換後の値を出力します。この例では、出力は”-123.45″となります。このように、『CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT』モジュールを使用することで、SAPの後ろマイナス形式から一般的な前マイナス形式へと数値を簡単に変換することができます
まとめ
SAPの汎用モジュール「CLOI_PUT_SIGN_IN_FRONT」は、SAP内部で使用されている後ろマイナス形式から一般的な前マイナス形式へと数値を変換するための便利なツールです。
インターフェース系の機能や外部取引先向けの帳票などで一般的な前マイナス形式が必要な場合に活用することができます。