目次
レポートペインタについて
SAPで標準で用意されている機能としてレポートペインタという機能がある。
主に会計領域で使用されるレポート類(財務諸表や管理会計レポート)を作成する仕組みが提供されている。
会計領域で使用されるレポートなので、ロジ系の有識者で使い方を理解している人があまりおらず、開発で作成する頻度も多くないため、有識者を探すのが難しい。
複雑なコーディングは不要だが、有識者もいない状態で、初見だと理解するまでかなりの時間を要するため、仕組みの理解をしておくことで仕様変更などで柔軟に対応できる。
レポートペインタのイメージ
レポートペインタの概略としては、標準で用意されているレポートペインタ用の構造をレポートで出力機能を作成することができる。
出力の行、列の要素を使用したいテーブルの特性を使用して、作成して出力の値を制御して作成を行う。
レポートペインタの制約
レポートペインタは機能的制約が存在するため、要件によってレポートペインタで使用できない場合がある。
- 抽出対象となるテーブルが限定的で、1つのテーブルのみ抽出対象とできる。
- 数値項目しか抽出・表示できない
- 行と列に同じ特性を指定することはできない
抽出対象テーブル
レポートペインタの抽出可能テーブルは標準で用意されたテーブル以外は対応ができない。
使用可能なテーブルの一部を下記に記載。レポートペインタで使用可能なテーブルは「T804A」で確認可能。
テーブルID | 内容 |
CCSS | 一般管理会計項目の構造 |
GLPCT | EC-PCA:テーブル合計 |
GLT0 | 総勘定元帳取引金額(月次) |
表示項目について
表示項目については抽出テーブルの制限があるため、数値項目しか表示できない。
特定列でテキストを出力するなどの対応はレポートペインタでは対応不可。
レポートペインタ関連のトランザクションコード
オブジェクト | TCD | 内容 |
ライブラリ | GR23 | ライブラリの照会 |
ジョブ | GR53 | ジョブの照会 |
レポート | GRR3 | レポートペインタ |
移送 | GCTR | レポートペインタの移送取得 |
ライブラリ(TCD:GR23)
ライブラリはレポートで読込を行うテーブル、項目を指定する設定。
ライブラリが同じ場合、同じテーブルを使用してライブラリ配下のレポートペインタが作成されるため、取得テーブルまたは項目が異なる場合には、別のライブラリを作成する必要がある。
ジョブ(TCD:GR53)
レポートを実行するために、ジョブ登録をする必要がある。
ジョブを登録していない場合、レポートを実行できない。
設定はジョブIDとレポートIDを紐付け、「生成」を実行。
生成が完了すれば、レポートが実行できるようになる。
レポートペインタ(TCD:GRR3)
レポートペインタの画面では、標準で用意されているライブラリとレポートペインタが存在している。
基本的に出力したい要件に近いレポートペインタが存在と思われるので、コピー新規で要件により列の項目などを変更して作成すれば、開発が早い。
ただし、標準で用意されているライブラリで対応できない項目などが存在する場合には、新規でライブラリを作成し、ライブラリの特性などを変更して、その配下にレポートペインタを作成する必要がある。